<div class='blog-wrap blog-entry blog-entry-details'>

    <h2 class='blog-title blog-entry-title'>愛貧フリークの心の変遷</h2>
    <p class='blog-date blog-entry-date'>2022-07-26</p>

    <p>愛貧フリークには、のめり込む過程でいくつかの心の変化が訪れます。

STEP1 訪問期

愛貧フリークはまず最初、あのお店が今どうなっているのか、とドキドキワクワクしながら訪問するという時期があります。

番組放映当時から、遠いところから訪問している愛貧出演店巡りをしている人が数人いたようです。複数の店主に話を聞くと、その人たちの風貌や行動などだいたい同じで、ピークが過ぎても遠方からでも同じお店に何度も足を運んでくれる常連さんでもあったそうです。愛貧店が次々閉店してゆく中、達人店に行ってみることも楽しみの一つとなります。

STEP2 裏話確認期

次に訪れるのが、あの修行はヤラセだったのかどうか、などを確かめたくなるということです。

愛貧店を訪問するとわかりますが、みのもんたの写真やサインを掲げているところもあれば、愛貧に出たことを黒歴史のように捉えて封印しているところもあります。つまり店主がTV番組におもちゃにされた、と感じているお店があるということです。番組が続いていたころから、番組の演出・ヤラセの有無についてはいろいろ噂出ていました。ある程度お店に行くことに慣れてくると、達人や愛貧店主を訪ねてその噂を確かめたくなる時期がやってきます。当時、ドキュメント・バラエティ全盛期で、愛の貧乏脱出大作戦と共に人気のあったTBS系のTV番組「ガチンコ!」などは、写真週刊誌に台本がすっぱ抜かれて終了することになったり、TVメディア自体が問題をかかえていました。

愛貧もまた、実際はどうだったのかを聞きたくなるのが裏話確認期というわけです。

実際に話を聞いてゆくと、一律にこうだった、ということではなく、放映時期や、担当ディレクターの編集や演出手法などにより、その「ヤラセ」の度合いが異なっていたようです。あるいは、たいして貧乏で困ってはいなかったけど、番組に請われて出演した人もいれば、借金総額XXX万円というけれど、結構水増し金額で書かれていたという人もいます。

逆にTV出ることが好きな店主もいます。愛貧だけではなく地元のTV番組に出演していたりする店主も若干ながらいました。

STEP3 愛貧店支援期

愛貧店主と顔見知りになり、番組演出の度合いがわかるようになると、店主から、「この先どうしたらいいのかなぁ」という感じで相談を受けることがあります。TVで苦労している様子を見て、訪問したお店の様子を見れば、繁盛していないことはなんとなくわかります。で、ちょっと手を貸してもいいかなぁと思ったりするわけです。

たとえば番組終了間際の2002年頃であれば、インターネット販売が盛んになってきた時期で、いくつかの店主からネット販売について半分冗談交じりで相談を受けたことがあります。当時の私の答えは「ネット販売は想像以上に手間がかかるので、近くに詳しい人がいないならやめた方がいいですよ。」という感じでした。

STEP4 達観期

上記のような過程を経ると、裏話にも飽き、愛貧店主とも距離を起きたくなります。その上で、番組をもう一度見直して、演出の中に埋もれがちな、達人が伝えたいことは何だったのか、そもそも市場的にこの場所で営業するにはなにをどうすれば良かったのか、ということを考え始めます。Google Mapsを見ながら近隣の客層等を想像したり、近隣の店舗の家賃を調べたりして、どういう料理でどう勝負したら良かったのか、を考えてみたりします。

また、お店に未練があってお店を辞めきれない人にとっては、愛貧に出ての閉店は、ある意味正しい決着の付け方だったように思います。番組で修行し、沢山お客が来たのにもかかわらず、結局もとに戻ったということを客観的に理解できれば、もうお店はやめようと踏ん切りがつきやすいものです。愛貧店が閉店してしまうのは残念なことですが、ある程度借金を減らしたうえでの撤退であれば、それはそれで良かったのではないでしょうか。

こういう心理状況に到達することを、達観期と呼びたいと思います。

    <span class="blog-posted-in">カテゴリで掲示される:</span><div class="blog-item-grid-item tag-blog-item-category blog-entry-tags">

comments powered by Disqus

戻る
</div>

■広告