愛の貧乏脱出大作戦という番組

愛の貧乏脱出大作戦は、その後のいくつかのテレビ番組に影響を与えた番組だと思っています。そして今でも世界で通用する番組フォーマットだと思っています。たとえば発展途上国やスラム街を持つ国などで放映されたら面白いと思います。

その普遍性は、どこからくるのかを考えた場合、やはり実在する店舗をターゲットにしているからだと思うのです。実在する店舗、実在する店主、実在する達人。実際に食べにゆくことによってそれを自分の目や舌で確認できること。これはいつの世でも普遍的だと思います。

ジャーナリズムというものの原点は、正義を語ることではなく、真実を見て伝えることだと思います。愛の貧乏脱出大作戦は、とても単純な形で真実を見るということが

人はそれぞれ弱いもので、テレビは貧乏店主のことを、グズだったり間抜けだったりと演出を含めて誇張して放送するけれど、店主に会ってみると、それはどこにでもいる普通の人だったりします。つまり普通の人と達人の差は紙一重なんだろうと思うのです。放映から15年以上が経って今なお繁盛している愛貧出演店を見ていると、そういう思いを強くしています。

残念ながら、TV番組の放送倫理や個人情報の扱いについて厳しく言われるようになってしまった現在では、全く同じ番組をすることはできないでしょうし、放送したとしても時代錯誤の番組になってしまうでしょう。

また、番組そのものはドキュメンタリーとして見てしまうと違和感があります。むしろ、台本が存在する素人参加型のフィクションといったほうが良いでしょう。本人がいくら真面目に頑張ったとしても、編集のマジックであらかじめ局側が設定したキャラクターに仕立てあげられてしまう傾向があります。自尊心の高い人が修行した場合は、それが耐えられないこともあるでしょうし、思い出したくない嫌な思い出として残ることもあります。愛貧店に出向くと、みのもんたのサイン色紙が掲げられている場合もあれば、番組を匂わすものがまったくない場合もあります。

しかし、どのような結果になったとしても番組に出演した店主の人生は続くのです。店主は「できない」と思うことに立ち向かわなければなりません。困難を抱えている経営者や店主にとって「できない」と思うことに立ち向かう勇気や努力というのは普遍的に必要なんだろうと思います。

そして、これは私の主観ですが、修行を通じてそれなりに頑張りや立ち向かう覚悟が伝わってきた店主は、番組放映時の扱いもまたそれなりに優しいものになっていたように思います。この番組には、人間の弱い部分やできない部分、格好悪い部分を放送する際に、ダメ男、ダメ女と一刀両断にして、人を蔑むような表現に陥る危険があります。実際、放送回によっては、そういう視点がきつくて、みていられないものもあります。

愛の貧乏脱出大作戦の最大の味わいは、編集の中に潜んでいると思います。ダメだけど家族のために頑張っている姿が見えるとか、とうてい無理な修行にもかかわらず、とても純粋な気持ちが台本を超えて見えるときは、現場ディレクターやカメラマン等を通じて編集に反映され、そして視聴者に伝わってくるのだと思います。



2011年放映 3時間SPの感想

今回のチェックは、シブいところというか、見たかったところが出てうれしかった。放映時には番組的にはどちらかというと地味で印象の薄い修行人だったと思うけど、いずれも「家族愛」があふれた放送だった。

まずはみのさんチェック訪問。

■胡心房
長女の麺の湯きり姿が様になってかっこいい。
1.3万円→1日の売上15万円。町田の行列店へ。
上澄みの脂を丁寧にとって後味あっさりに仕上げた、とんこつスープ。
肉玉ラーメン1100円。
借金も娘が肩代わりして7400万円→4000万円。

ちなみに、達人林訓美は、あのあとしばらくして上野のお店を閉めてしまって、どうなったのかと思っていたが、鎌倉に完全予約制の高級創作料理のお店を出しているようだ。

中国精進料理 凛林
http://www.kamakura-rinrin.com/

■暁園
娘さんは結婚し、今は親子2人で繁盛宿へ。
楽天市場「茨城お食事ランキング1位」獲得。人気の取りにくい宿へ。
息子のほうは苦労のせいか、30歳代の割にはやや老けた容貌(^^;
みのもんたももらい泣き。
90年代の最盛期に月の売上120万円が番組出演時には20万円に落ち、今では105万円に戻ったという。(20年間で点が6つしかない結構粗い折れ線グラフもどうかと思うが)

しかし、よく考えると月105万円ということは30日で割ると1日平均3.5万円。
1泊2食で約1万円なので、1日の宿泊客は平均で1~2組。宿泊は週末に固まるのだろうから、平日はまだまだ稼働率0の日も多いのだろう。まぁ場所柄、こんなもんかとも思いますが。

あと、アンコウにあまり関係の無い箱根の料理旅館が、修行人のためにわざわざアンコウ料理を考えて、教えてくれたというのは、いまさらながらすごい事だと思う。

■めちゃうま亭
なんと、店舗販売はやめてすべて注文デリバリーへ。
閉店→移転情報→閉店→急募→めちゃうま亭の車発見という小芝居はともかく。
みのさんがお店に入っていって、弁当が並んでいるシーンはとても良かった。
多いときは1日20万円弱へ。パートなど7人を雇う株式会社の社長へ。
番組出演時2DKのアパートだったのが、2年前には6LDK6000万円の一戸建て購入へ。孫や犬に囲まれて充実の人生。

味噌汁+お茶で700円のおまかせ弁当。

競争は厳しいけど店舗販売より注文デリバリーのほうがロスが少なくて利益率は良いはずなので、「店」から「企業」と、ひとつ上のステージに上がった感じ。

みのさんの抜き打ちチェックもいいけど、個人的には、成功した店主のところには、修行したお店の達人屋店舗スタッフの人に訪問してもらいたいとおもうんだよね。「10年間よくがんばった!」って言ってもらうだけで、この先10年間、もっとがんばれるのではないかと思う。

■3人修行

キートン山田?のナレーションが懐かしい。やっぱりこうでなくっちゃ。
達人の怒りあり、やさしく厳しい言葉あり、涙あり…。
特番なので「番組放送後大盛況」の絵が無いは仕方ないが、借金状況や売上状況に対する説明が少ないのはちょっとさびしい気がした。

こんなに大変な状況だからなんとかしないといけないという、崖っぷち状況を提示して欲しいんだよなぁ。子供にランドセルを買ってやれないとか、会社を辞めて老人介護をしないといけないとか、親が急死して跡を継ぎたいけど、どうしたらいいか分からないとか…。

昔と違って個人情報の問題とかいろいろやりにくいのだろうと思うが、それが愛貧店主を応援する糧になるのだから…。

たとえば定点カメラで数日間隠し撮りしておけば、トキさんのふだんの接客がどういうものなのかが見えてくる気がするし、やればできてしまう大ちゃんなんかも、暇なのに手を抜くチャランポランぶりが出てくるはずで、もっとそういうのを見たいのだ。

どこかの掲示板に「良い子(大ちゃん) 悪い子(トキさん) 普通の子(松ちゃん)」という比喩があったが、言いえて妙だ。

■トキさん 40歳 この道22年
飛天
住所:埼玉県三郷市戸ケ崎2248
営業時間:??

トキさんはコミュニケーション力に難があるみたいだけど、これは40歳にして直すのは難しそう。裏方の料理人として働くのであればいいけど、店の主としてお店をまわすのは難しい気がする。

(いらっしゃいま)「せ~」というキャプションとか、恩人の名前を忘れるトキさんには笑えた。

達人が「トキさん一人ではダメだ」と看破したのは、辛い選択なのでしょうが必要な一言だったのだろう。TVからも、トキさん一人では無理っぽいオーラを漂わせていたけど。

同情するとしたら、きっと小さい頃から兄貴はぼんやりしていて、弟はしっかりしていて、なにかにつけて比べられてきたんじゃないだろうか。声の出し方や態度からも、コンプレックスが積みあがって自分をのびのびと出せていない気がした。なんとなく、かつてのオッチを思い出したなぁ。

家族の絆によって助けられている一方で、それがコンプレックスの根源という矛盾した問題をはらんでいるように思うので、一筋縄ではいかないケースのように感じる。

食べログには、放送翌日にラーメンを食べに行った人のレビューが載っていますが、TVクルーも入っていたようなので、どこかで放映する可能性もありそう。
http://r.tabelog.com/saitama/A1102/A110205/1101957...

■大ちゃん 33歳 月商500万円の繁盛店からの転落
■麺屋 翔■
住所:東京都新宿区西新宿7-22-34
営業時間:11:00-21:00/土祝 11:00-17:00
定休日:日

もともと池袋のラーメン名作座という屋台村みたいなところで、麺屋 翔で2005年11月に開店したお店。
池袋から西新宿に移転して赤字ということなので、基本的には力がある人なんだと思う。
食べログを見ても、前から高評価だったのが、どうしても修行先の「一燈」と比較されてしまい辛目の評価が目立つ。
この先、いままでの塩そばを復活して二刀流で行くのかどうするのかが見所になる。
(そもそも家賃が釣り合っていないのかもしれない)

いずれにしてもこのお店には、ほとぼりが冷めてから行ってみたいなぁ。

■松ちゃん
■味一■
住所:東京都新宿区高田馬場4-13-13
営業時間:11:00-15:30,17:00~21:00/土日祝 11:00-17:00
(スープ切れ次第終了)

終盤、試験に不合格となり、鹿児島での火炎修行する様は壮絶。巨人の清原や家田荘子等もやったという鹿児島・最福寺の護摩行。愛貧でも1~2度登場しましたが、このSPで出てくるとは。

全般に雑というか手を抜くところが問題なのだから、松ちゃんの人間力ということからいえば、小田原に戻り、原点を見つめて親の代から受け継ごうとしている小田原味噌のラーメンを活かす道は無いのかなぁと思いつつ見ていました。

奥さんがいい人で「人間力」にあふれています。


■こうじグループ
どのお店の店主も、ラーメンの商売人としての活力がみなぎっていて素敵です。
今回の修行で一番画期的だったのは、ひとり1日ずつの模擬店舗販売。
だれの発案かわかりませんが、こんな太っ腹な修行をよくOKしたものです。

あと、制作にゼロクリエイトの名前はありませんでしたが、ニューズクリエイトの名前がありましたね。

2003年元旦 愛の貧乏脱出大作戦お正月スペシャルの感想

2003年1月1日21:00-23:20、愛の貧乏脱出大作戦お正月スペシャルが放映されました。
ビデオには撮っていないので、記憶が不確かなところもありますが。。。



スタジオには常連コメンテーターがずらり。みなみちゃんの偽ビラを暴露した高橋英樹はキャスティングとして最高。他に梅宮辰夫、中尾ミエ、島崎和歌子、相田祥子あと誰かいたっけ。ナレーションは、おなじみの乱 一世。ジカダンパンでレポーターとして出るより、やっぱりこのナレーションのほうがいいよ。



最初の抜き打ちチェックは、FUNだったかLIMEだったかわすれた。



みのもんた自身が、札幌のLIMEを訪問。お店の明かりが消えており、みのさん、郵便受けから中を覗く。とおりがかりの女性(仕込みか?)が「時々シフォンケーキを買います」と証言。翌日再訪問。ケーキがたくさん並んでいるのを見て一安心。LIMEの息子は、髪の毛を切って帽子をかぶって調理したほうがよかろう。ちなみに、最初に訪問したときのみのさんの格好はこのあと「てつや」の主人に修行人受け入れを依頼するシーンの格好と一緒。外は既に暗かったので、みのさんの札幌での撮影順序は、てつや→LIME抜き打ち→(ススキノで豪遊)→LIME再訪と予想。



FUNも、みのが訪問すると休み。店内でストーブが点いているのをみのさんが発見し、お店に突入。たまたま新メニューの開発中だったというが、なぜ休業日にバイトも含めて4人もお店にいるのだ。そういう店なのか、事前に抜き打ち訪問が知らされていたのか。まぁ、客層が若いから営業日にみのさんが訪問したらむちゃくちゃになる可能性もあるし、ぬるい抜き打ちでも仕方ないかな。。 
FUNのホームページにも「もともとそんなに貧乏ではない」と書いたりしてあるし、番組で取り上げるほどの貧乏だったのかちょっと怪しい。でもまぁ、最近はカフェの類もたくさん潰れているから、商売がうまくいっているっていうのは良いことですな。 (あと、修行中のあのスマーイルはやっぱりちょっと引くところがあるけど。。)



次は、中村有志があんかけ焼きそばの「富ちゃん」を訪問。その後を知りたかったお店のひとつなので、嬉かった。ここは地元のサラリーマンや工場従業員(須藤電機と思われる)、暇なおばちゃんの支持を集めているようだ。ただ単品営業なのでこのメニューに飽きられたら将来がとても不安。二人の子供がとてものびのびと素直に育っているのが良かった。



さて、このあとわけのわからない企画が登場。達人によるおせち料理の競演。あまり真剣に見ていなかったが、たしか崎陽軒が出ていた。あと2つは忘れた。まぁ、高橋英樹、梅宮辰夫とビッグなのを二人も用意したのでこれぐらいの接待企画がないと駄目だとは思うが。。。 あまりに本編と関連性が無かったので悲しい。そのうえ、この部分のナレーションが乱と違うナレーターで妙に耳ざわりだった。すこしガチンコ風というか。。



そしていよいよ、「てつや」での修行。まずは修行人紹介。沖縄出身のマドンナのお店は人通りの少なそうな場所にあるお店。なぜおでん屋なのか。しかもこの10月開店だし。いつどうやって応募したんだ?次に苦労しているかんじのばあちゃんと嫁、けなげな子供二人をかかえるタブちゃん。これは番組の典型だね。応援したくなる。そして番組再登場の味楽留のタカさん。売上の激減はすさまじい。餃子だけではだめだったんだな。このひと、しゃべっていることがもごもごしていて、聞きづらいときがある。海で叫ぶシーンもテロップが無いとわかりにくい。客が離れるのはそういうところにあるのかもしれない。もっとマズい店はたくさんあるだろうけど、人柄というか親しみやすさで安定して客がついているところもたくさんあろう。料理修行よりもっと接客修行のようなものをさせて(あるいはTVでみせて)欲しかった。最後のみなみちゃんはやっぱり特別扱い。シェークスピアでいう道化の役回りなのかもしれない。百面相はよかった。みなみちゃんのときだけ、スタジオの失笑とか高橋英樹や中尾ミエの声がかぶさっていたように思う。



しっかし、ラーメン「てつや」ってすごい行列なんですね。数年で店舗を急拡大、若いのにすごい。しかもご主人はほんの少し前までどん底生活で、愛貧を見て応募しようと思っていたほどだという。多少はリップサービスだろうが、この番組はやはり数多くの中小飲食店に少なからず影響を与えていたんだな、と思う。



でも北海道の味噌ラーメンって、あの寒さの中で食べるから美味しいのであって、大阪とかで同じ物を食べても塩辛すぎたりする。「しの家」主人から聞いた話だが、修行先の小樽のラーメン店は、どんぶりを熱湯に入れて、手でもてないくらい熱く暖めておくんだって。小樽は寒いので寒さで感覚の薄れた手で持つと熱々のどんぶりでも丁度いいくらいになるからだとか。沖縄の人にこれを修行させてどうなのよって思う。



とにかく、みのさん直々の依頼に、てつやさんOK。ちなみにみのさんの服装はLIMEのときと一緒。



んで、修行開始。最初の顔合わせのときに、菓子折りを渡す人がいる中、みなみちゃんは、粗品のタオルを渡していた。タオル、少し欲しい気がする。(笑)



麺の湯きり修行では、タカさんでさえ覚束ない。これまでああいう平たいやつでやっていなかったからでしょ。素人には深い網の方が良いと思うのだが。ここでみなみちゃんが勝手なレクチャーを開始。変わっていないわなー。



小樽の宿舎でそれぞれ練習。みなみちゃんだけは、寝転んでナポレオン・ヒル「成功哲学」読みながら、お洗濯。彼の楽天的な部分とか第三者的な評論家部分はあそこから来るんだとなんとなく実感。まぁ、明確な目標とか強い信念が生まれないうちは、いくらああいう自己啓発本を読んでも駄目だね。



次はスープ作り。ここでマドンナが血合とあくの区別が付かず、失敗してしまう。正直に謝るマドンナ、それを理解し何も言わず新しい鳥を渡す達人。マイナーだが良いシーンだった。それだけにあとでマドンナがリタイヤした時にはもったいない気がした。東京で子供を作り、おそらくは離婚して子供を引き取り沖縄へ、という人生なのだろうが、やっぱり料理ってそんなに甘いもんじゃないよ。子育てだけでも大変だと思うのに、子育ての片手間にやるにはハードすぎる。でも、そうしている人も皆無ではないのだし、もうすこし年配の達人なら、「ここで本当に子供の幸せを考えるならがんばってラーメンを完成させることだ」等と諭したに違いない。(そうしたのかもしれないけど、TVには出なかった)



さて、みなみちゃんは、ズン胴の前で固まってしまって灰汁とり失敗。みなみちゃんが考え込むとろくなことが無い。あれは、「どうかしたの?」と誰かに声をかけて欲しいときのポーズのような気がする。(みなみちゃんにとって灰汁はコクと読むらしいので、たしかに悩むところではある)



で、みなみちゃん、再挑戦でふたたび、「灰汁を取らずにメモを取る」。これには笑ってしまった。年末の漫才コンテストM-1なんて目じゃありません。どうせならメモに何が書いてあったかを映して欲しかった。で、叱られたみなみちゃん、リタイヤ宣言して小樽にひきこもり、すぐに坊主頭で復帰。(一旦リタイヤしたり、坊主頭で復帰するところなんか、番組のつぼを押さえすぎ)



次に、「味噌だれ」の中身当てテスト。10種類の材料がうまく調合されて味噌だれができているのだとか。味覚王ならともかく、素人にそれを考えさせるのはどうだかなぁ。やるならば最初の選考テストとしてやって欲しかった。修行人はそれぞれスーパーで材料だと思う物を買ってきた。ところが、買ってきた材料を見ててつやの顔色が変わる。



別室においていた別の件で使おうと思っていた材料のセットの中身をそっくりそのまま買ってきたやつがいるという。タブちゃんにカンニング疑惑。タブちゃんは必死に否定するが、てつやは机の上のものをぶちまけて激怒。。。 「テツ・プロジェクト」は彼の会社の名前らしい。



おそらく味噌だれの味を再現するのにレシピは教えずに自分の舌で再現させて、評価するつもりだったのだと思うけど、あそこで達人がキレてしまったのでわけがわからなくなった。誰がどういうレベルまで来ていたのかが結局わからずじまいだった。達人はその後レシピを教えたのかどうかさえわからなかった。少なくともテレビでは、誰がどの程度当てようとしていたのか視聴者にもわからせて欲しかった。



個人的には達人の「盗み見した」というキレ方はおかしい。TV編集で妙にカットされたからかもしれないが。。 味は盗むものじゃないのか。むしろ「なぜ五感を使って盗もうとしない!」と怒るほうが納得がいく。過去の修行でも洗い場でソースをなめさせるチャンスを与えておいてそれをふいにした修行人が何人かいたし。まして修行人には何年も弟子入りしている暇はないんだし、なんとかしたいと極限まで思ったら、食材や仕入れ経路ぐらい盗み見してメモしますよ。てつや本人だって貧乏のどん底だったらそうするんじゃないかと思うし。



あと、この騒動の最中みなみちゃんは終始おとなしかった(ように編集されていた)。自分にカメラが回ってこないと静かなんだろうか。



必死に引き止めるタカちゃん、子供からの手紙を見せるスタッフ。それでもタブちゃんの意思は変わらず、リタイヤ。タブちゃんが去るときに、タカちゃんが握手を拒否したのはちょっとホロリときた。そう、修行を単なるロマンにすりかえちゃいかん。完遂してこその修行なんだし。過去の修行経験者タカちゃんはそのへんをよく知っていると思った。 ただ、タブちゃんのリタイヤの理由をもうすこし彼の言葉で語って欲しかった。達人もタブちゃんに逃げ道を与えてやるべきだったのでは。



続いてマドンナもリタイヤ。想像以上の重労働でやっていけないと思ったのだろう。娘に電話をかけて許しを乞うマドンナ。でも、もっと年寄りの50歳過ぎの人も一生懸命がんばっているのだからここは我慢して続けて欲しかった。



そして、後半はみなみちゃん、タカちゃんの二人だけで修行。みなみちゃんもいつになく神妙で一生懸命がんばっていた。このへんは四五六菜館での修行が少しは役に立っていたのだろうか。



最後はスタジオに、タカちゃん、みなみちゃんが「料理の鉄人」みたいな料理バトルのセットで登場。スタジオでてつやご主人直々に判定してもらうという趣向。二人は別々にラーメンを作っているのだが、タカちゃんの「麺あがりましたっ」などの声になぜかみなみちゃんが「ハイヨッ」とかあいづちを打っていたのが妙におかしかった。



てつや氏が下した審判は両方不合格。この判断は、あるいみ英断だったと思うが、なんだか盛り上げに欠けた。私なら、達人が判断を下す前にゲスト&みのに試食(できれば、本物のてつやラーメンも一緒に試食)させ、中尾ミエや特に高橋英樹のコメントを拾って、「なかなかおいしいじゃないか」というスタジオの雰囲気にしてから、さぁ達人の判定は?。。。「不合格」というほうがよかったのでは。 そうすれば梅宮あたりが「いい線まできているんだから、あと一息がんばりなよ」てなコメントを泣きながら残したりしてくれたかもしれない。この番組では、泣いてこその梅宮だよ。高橋英樹がみなみちゃんのラーメンを食すというだけでTV欄のタイトルになると思うのだが「高橋英樹がついにみなみちゃんのラーメンを食す!驚愕の結末!!」とか(笑)



番組のエンディングにはなぜか、自主練習しているタブちゃんにてつやさんが陣中見舞いするシーンが。マドンナのおでんを売る映像まで。あれはいかんでしょ。陣中見舞いはたとえば半年後のスペシャルとかで「実はリタイヤ直後からフォローしていた」というほうが正しいし、マドンナには同情する余地は無い。むしろ、みなみちゃんの修行後の様子やタカちゃんの今後の経営方針(餃子メニューとの関係や、餃子達人への仁義とかを放送して欲しかった。
前半~中盤まで楽しかっただけに、ちょっと歯切れの悪いスペシャルでした。視聴率はどれぐらい出たのかな?

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